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オリバー・ストーン来日を2週間追跡取材した朝日新聞の記事

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The Untold History of the United States -『語られないアメリカ史』の共作者オリバー・ストーンとピーター・カズニックの8月4日から15日までの旅を共にし、さまざまなメディアの取材を受けたが、とりわけ広島、長崎、東京、沖縄と全行程を追跡した朝日新聞名古屋支社の井上未雪記者の熱心さには、オリバーも、「またお前か」というような冗談を言いながらも、いい意味で根負けしていたように見えた。井上記者は、「異なる歴史認識がある場合どう和解に導くのか」というテーマを二人に投げかけながら、自らもオリバーとピーターの問題意識とその変遷を吸収しながら心の旅を共にしていたように見えた。その井上記者による記事が8月31日に「記者有論」というコラムで掲載される。帝国日本の侵略の歴史に特化して展示する「岡まさはる記念長崎平和資料館」へのオリバーの訪問を冒頭に取り上げ、オリバーが旅の後半で強調していた「日本も自らの語られない歴史に向かい合うべきである」との主張に注目する。しかしオリバーとピーターと私は、井上記者による2週間の濃厚な取材と何百枚にも及ぶと思われる写真撮影の結果として、当然朝日新聞に大型報道記事が載るのであろうと期待していたが、結果としてこの「記者の私見」的記事だけということに驚きを隠せない。写真は一枚も使われていない。沖縄訪問への言及もない。オリバーとピーターが来日を通じて強調してきた、米帝国の軍事覇権への批判、沖縄の抵抗への応援、乱暴な帝国への無批判の従属を続けている日本に対する警鐘は、朝日新聞の編集部にとっても関心がないはずはない。同じく同行していた琉球新報には期間中頻繁に報道記事が出ていた。朝日にも今後記事が出るのであろうと期待する。

そしてオリバーが「素晴らしく聡明な女性」と称賛していた井上記者の努力と真摯な取材に敬意を表したい。@PeacePhilosophy 乗松聡子

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