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福島県甲状腺検査:依然として、福島の子どもの甲状腺がん発見率はチェルノブイリと同じか、福島の方が多い可能性(松崎道幸医師)

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報道されているように、6月5日に開催された福島県民健康管理調査の検討委員会では、2月の報告以降、18歳以下で甲状腺がんの診断が確定した人が12人(9人増加)、「がんの疑い」が15人(8人増加)とする結果が報告され、星北斗座長(県医師会常任理事)は「放射線の影響とは思えない」といい、鈴木真一福島医大教授は「検査機器が高性能で、検査対象が広いからだ」と言っている。(記録の為にハイライト)これらの発言は科学的知見にもとづいて言っているのか、また、子どもたちを守るという立場からのものなのか。このサイトに何度も登場いただいている松崎道幸医師(北海道深川病院)にコメントをいただいた。

過去関連投稿参照:

山下俊一氏らによる原発事故後の子どもの甲状腺結節のがん化についての追跡調査に対する見解 (2013年3月20日)

福島の小児甲状腺がんの発生率はチェルノブイリと同じかそれ以上である可能性: 福島県県民健康管理調査結果に対する見解(2013年2月16日)

福島県甲状腺検査、35%が「5ミリ以下の結節、20ミリ以下の嚢胞」-ゴメリ以上の甲状腺異常の可能性(2012年4月28日)

(ここから今回のコメント)

1.以下図表↓に、今回の結果の要点を示しました。

2.今回の報告を見ても、原発事故後5年以上のチェルノブイリと2年未満の福島では、同じ手法で甲状腺検診を行った結果、依然として、こどもさんの甲状腺がん発見率が同じか、福島の方が多い可能性があることを示しています。

3.そもそも、今から思えば避けようとすれば避けられたはずの原発事故による放射能汚染の健康影響について、断定的に事故の影響がないと言えるような状況にはありません。わからないことが多すぎるからです。私の推測は、利用可能な過去の科学的論文の知見から推定したものです。

4.福島のこどもたちの甲状腺に、チェルノブイリ事故の数年後に匹敵する頻度でがんが発生しているという私の推測が見当はずれであることを望みます。真実が明らかになるためには、もう数年の時間が必要でしょうが。

5.いま大事なことは、放射能汚染地帯のこどもたちにこれ以上の被ばくをさせない事です。こどもたちを疎開させましょう。我々大人が、10年後に、あの時出来る限りのことをやったのだと、こどもたちに言えるようにすることが大事だと思います。

松崎


Int J Cancer. 1996 Jan 3;65(1):29-33. Histopathologicalcharacteristics of childhood thyroid cancer in Gomel, Belarus. Ito M, Yamashita S, Ashizawa K, Hara T, Namba H, Hoshi M, Shibata Y, SekineI, Kotova L, PanasyukG, Demidchick EP, NagatakiS.
 
 
 
 

 
2003 3 9 日 今中哲二 Malko講演会の概要とコメント
 

 
原発事故後の小児甲状腺検診(超音波検査・細胞診)結果の比較

 




福島民報報道(2013年6月6日)

放射線の影響否定 甲状腺がん診断確定12人に 

東京電力福島第一原発事故を受けた県の県民健康管理調査の検討委員会は5日、福島市のコラッセふくしまで開かれた。2月の報告以降、18歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が9人増えて12人、「がんの疑い」が8人増えて15人になったとする結果が報告され、新たに就任した星北斗座長(県医師会常任理事)は会議後の記者会見で「現時点で、放射線の影響とは思えない」との見解を示した。
 星座長は、チェルノブイリ原発事故に起因するとみられる甲状腺がんが見つかったのは事故の4~5年後以降だったとして、「放射線の影響があるものだとは思っていない」と述べた。
 会見には調査主体の福島医大の鈴木真一教授が同席し「(甲状腺がんやその疑いが複数見つかっているのは)検査機器が高性能になり、検査対象も広いためではないか」との考えを示した。一方、「放射線とがんとの因果関係の知見を得るには、時間をかけて調査を継続し、結果を積み重ねていくことが大事」とも語った。
 会議では、1次検査で一定の大きさ以上のしこりが見つかり2次検査を受けた子どもの診断結果が報告された。平成23年度の検査で甲状腺がんと確定したのは7人、疑いは4人で、計11人の年齢は13~19歳。24年度は確定が5人、疑いが11人で、計16人は11~20歳だった。県は、24年度の1次検査実施者が23年度と比べ3倍以上に増えたことが、確定と疑いが増えた要因の一つとみている。

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